今回の地震後、海外からはこの状況下でも整然と列を作って並ぶ日本人の振る舞いに驚いているようですが、わしらからすれば当たり前ですわいな。
と、思ってみて思い出したよ。
わしはアメリカにいたとき、アメリカ人からどばどばと横入りされたんだった。
あれは、帰国のためフォートコリンズを発つ日のことでした。
わしは一度でいいから
グレイハウンドなる大陸間横断バスに乗ってみたかったので、フォートコリンズからデンヴァーまではこいつで行こうと思っていたのです。
が、その日に限って何かあったようで、バスは遅れていてしかも空き座席は五席しかないというのです。
なのでわしはバス停に一番に並びました。これで妻とわしの二席は確保です。
途中、不思議なおじさんとあやしい少年もいっしょに並びましたが、彼らの話はまたいつか。

で、遅れていたバスがやっと到着したと思ったら、どこからわいてきたのかうじゃうじゃとアメリカ人がやってきて、わしの前に割り込んでは車掌さんにチケットを差し出すのです。
ありゃ? なんじゃこいつら? と思ってしまったのが運のつき。
あっけにとられているわしの目の前で、車掌さんは何事もなかったかのように自分の手前に突き出されたチケットを受けとっていきます。
え? 車掌さん、それでいいの?
わしはここでエンジンがかかりました。そうか、車掌も信用ならないならこのアメリカの地で信じられるものはやはりこの俺さまだけじゃってね。
わしは奴らの上からチケットをつきだし「I'm first! I'm first!」と叫んで強引にアメリカ人をかき分けて進もうと試みたのです。(英語が正しいかは知らないよ〜)
でも、ここで見送りに来てくれていたアメリカ人に引き戻されました。
止めとけ、と。
彼が言うには、グレイハウンドを使うアメリカ人は「金がない。危険な奴らが多い」と。
まあ車社会のアメリカで、車すら買う金がない人達、ということは貧困層のかなり下にいて、必然的にヤバい連中が多いというわけなのです。殺したてホヤホヤの殺人犯がとりあえず州をこえるために乗っていることもあるよとも。
だからそんな奴らにわしが食って掛かっちゃ〜いけないよ、ということでした。
確かに、トイレ休憩で降りてきた連中は、ボクシングの三兄弟&父ちゃんと同じような風貌でしたわな。
妻はこれを見て絶対に乗りたくないと言い張るのでその時は諦めましたが、でもね、わし、かえって乗りたくなっちゃったのよ。
それに、普通にグレイハウンドに乗って旅行したという人もいるわけだしねえ。
いつか乗れる日が来るといいなあ。
なんてことを思いだしました。
日本じゃ当たり前なんだけど世界じゃ(アメリカでも)当たり前じゃないこと。
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